上がり框(かまち)と式台とは
あがりかまちとしきだい
玄関の段差の名前。高さの設計が老後と毎日の使いやすさを決める。
上がり框(あがりかまち)は、玄関の土間と床の段差の縁に付く化粧材、式台はその段差を分割する中間の踏み板です。「たかが段差」と侮るなかれ——框の高さと形は、毎日の靴の脱ぎ履き・老後の安全・玄関の広さの体感まで左右する、玄関設計の要所です。
高さの設計
- 現代の目安: 10〜18cm(昔の家は30cm超もザラでした)
- 低い框(10cm前後): 出入りが楽・バリアフリー的・空間がつながって見える。靴の脱ぎ履きで腰掛けにくいのが弱点
- 高めの框(18cm〜): 腰掛けて靴を履ける・土間の砂埃が上がりにくい。高齢期には段差がリスクに
- 段差が大きくなる場合は式台で分割(1段あたり15cm程度に)。手すりの下地もセットで仕込むのが将来への保険です(バリアフリーの項参照)
形の設計(実は効く)
- まっすぐ: 標準。土間とホールが明確に分かれる
- 斜め・L字: 框のラインを長くすることで、同時に靴を脱げる人数が増え、土間が広く使えます。玄関2帖でも体感が変わる定番手法
- 曲線(R框): 柔らかい印象の意匠。造作費はやや上がります
素材と納まり
- 框材は床材と揃える(同じ樹種・色)と一体感、あえて濃色にすると境界が引き締まります
- 土間の見切り・巾木との取り合いは傷みやすい部位。掃除のしやすさ(掃除機・ロボット掃除機の乗り越え可否)も視点に
- ベンチ(造作 or 置き家具)を框近くに計画すると、靴の脱ぎ履きが全世代で快適になります
小さな部位ですが、家族は1日に何往復もここをまたぎます。「高さ・形・腰掛け・手すり下地」の4点を打ち合わせで確認——玄関の使い心地は、この縁(へり)で決まります。
よくある質問
Q.上がり框の高さはどれくらいが良いですか?
A.現代の標準は10〜18cm程度です。昔の家(30cm超)より大幅に低くなりました。高齢の家族がいる・老後を見据えるなら、式台(中間の踏み板)や手すりの下地をセットで計画しておくと安心です。
Q.框を斜めやカーブにするのはなぜですか?
A.土間とホールの境界線を斜め・L字にすると、同じ面積でも土間の実効面積が広がり、複数人が同時に靴を脱げるようになります。デザイン性と実用を兼ねた定番手法で、追加費用もわずかです。
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