日射遮蔽と日射取得(庇・シェード)とは
にっしゃしゃへいにっしゃしゅとく
夏の日差しを遮り、冬の日差しを取り込む設計の工夫。
日射遮蔽と日射取得は、太陽の熱を「夏は入れず、冬は招く」設計技術です。太陽の高度差(夏約78度・冬約31度)を利用して、同じ窓で季節ごとに逆の仕事をさせる——冷暖房費に直結する、パッシブデザイン(別項)の心臓部です。
太陽の高度差を使う
- 夏の太陽は高い→ 窓上の庇・軒(窓の高さ×0.3程度の出)で直射をカット
- 冬の太陽は低い→ 同じ庇の下をくぐって、日射熱が部屋の奥まで届く——暖房の応援になります(晴れた冬の日の南窓は数百Wのヒーター相当)
- この設計が効くのは南面。東西の低い太陽は庇で防げません(次項)
方位別の道具
- 南: 庇・軒+日射取得型Low-Eガラス(冬の熱を採る)——取得と遮蔽の両立ゾーン
- 西(最重要警戒): 低い西日は外付けシェード・オーニング(別項参照)・すだれ・縦型の外部ブラインドで「外で止める」。ガラスは遮蔽型に。窓自体を小さく・高くも有効
- 東: 朝日は歓迎されがちですが夏の午前は暑い——西ほどでないにせよ同じ道具で調整を
- 内側のカーテンで止めるのは最終手段(熱は既に室内に入っています)——「外で止める」が遮蔽の鉄則です
実務の確認
- 「夏の日射遮蔽と冬の日射取得、どう設計していますか?」——庇の寸法・ガラスの方位別使い分けを答えられる会社は、温熱設計の実力があります
- 日射のシミュレーション(冬至・夏至の日の入り方)は設計ソフトで確認可能——依頼する価値があります(日当たりシミュレーションの項参照)
- 断熱(冬の守り)と日射コントロール(夏の守り+冬の攻め)は車の両輪——UA値だけでは夏の快適は買えません(夏に涼しい家の項参照)
よくある質問
Q.日射遮蔽と日射取得、どちらが大事なのですか?
A.両方です。夏は日射を遮り(遮蔽)、冬は日射を採り込む(取得)——季節で逆の要求を、庇の寸法・ガラスの種類・方位の設計で同時に満たすのが日射コントロールです。冷暖房費と快適性を、設備なしで動かせる最も費用対効果の高い設計領域です。
Q.庇の出はどれくらいが適切ですか?
A.南面の窓なら、窓の高さの0.3倍程度の庇の出(掃き出し窓で60〜90cm)が「夏の高い太陽を遮り、冬の低い太陽を入れる」目安です。方位・地域で最適は変わるため、日射シミュレーションを設計者に依頼するのが確実です。
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