親からの資金援助(贈与・借入の違い)とは
おやからのしきんえんじょぞうよ
もらうなら贈与の特例、借りるなら契約書と返済実績が必須。
親からの資金援助は、「もらう(贈与)」か「借りる(借入)」かで税務上の扱いが全く違います。何となく受け取ると、後から贈与税(最高55%)の世界に踏み込むことに——形式を最初に決めて、書面と記録を残す。これだけで数百万円の援助を安全に活かせます。
もらう場合(贈与)
- 住宅取得資金の非課税特例を使うのが王道(別項で詳説)。省エネ住宅で1,000万円まで等が非課税に
- 特例を使うには贈与の翌年に申告が必須(非課税でも申告しないと適用されません)
- 特例と別枠で、暦年贈与の基礎控除110万円/年も併用可能
- タイミング重要: 特例は「取得前の贈与」が原則。引き渡し後にもらうと対象外になり得ます
借りる場合(借入)
- 親子間でも金銭消費貸借契約書(金額・金利・返済期間・方法)を作成
- 銀行振込で毎月返済し、通帳に実績を残す(現金手渡しは実績になりません)
- 無利息・返済実績なしは「実質贈与」と認定されるリスク。相続時に他の相続人との火種にもなります
- 親の年齢と完済年齢のバランスも現実的に(80歳完済の35年ローンは形式として不自然)
見落としがちな論点
- 援助分の登記: 親のお金で買った分を子の名義にすると、その分が贈与です。共有名義・持分の設計とセットで(別項参照)
- 相続との調整: 兄弟がいる場合、住宅援助は特別受益として相続時に清算対象になり得ます。親子だけでなく家族全体で共有しておくと後日の争いを防げます
- 相続時精算課税という選択肢もあります(2,500万円まで贈与税なし・相続時に清算)。どちらが得かは資産状況次第なので、大きな額なら税理士への相談価値があります
援助はありがたい追い風ですが、書面・申告・登記の3点セットを欠くと逆風に変わります。制度に正しく乗って、堂々と受け取りましょう。
よくある質問
Q.親からの援助は税務署にバレますか?
A.不動産の取得は登記で把握され、税務署から「お尋ね」(購入資金の出所を問う書面)が届くことがあります。資金の流れは銀行記録で追えるため、「バレない」前提の無申告は危険です。非課税特例を正しく使えば合法的に大きな額を受け取れるので、隠すのではなく制度に乗るのが正解です。
Q.親からお金を借りる場合の注意点は?
A.①金銭消費貸借契約書を作る、②市場並みの金利を設定する、③銀行振込で返済実績を残す、の3点です。「ある時払い・出世払い」は贈与とみなされ、贈与税の対象になり得ます。認知症・相続発生時のトラブル予防としても、書面化は必須です。
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