工事中の保険(完成前の災害)とは
こうじちゅうのほけん
建築中の火災・台風の損害は誰の負担か。契約前に確認する。
工事中の保険は、「完成前の家が火事・台風・盗難に遭ったら誰の負担か」という、考えたくないが確認必須のテーマです。原則を先に——引き渡し前の建物のリスクは請負会社側が負うのが基本構造。施主がすべきことは「保険の加入」ではなく「会社の備えと契約条項の確認」です。
基本の構造
- 引き渡し前の建物は会社の支配下にあり、完成させて引き渡す義務は会社にあります(民法の危険負担の考え方+約款の定め)
- そのために会社側が掛けるのが: 建設工事保険(工事中の建物・資材の火災・風水害・盗難)+賠償責任保険(第三者・隣家への損害: 足場の倒壊・飛来物など)
- 施主の建物の火災保険は引き渡し日スタートでOK(別項参照)——工事中に前倒しする必要はありません
契約前に確認する2点
- ① 会社の保険加入: 「建設工事保険と賠償責任保険には加入していますか?」——まっとうな会社なら即答・証券提示できます
- ② 約款の「不可抗力」条項: 大地震・異常な天災による損害の負担をどう定めているか。標準的な約款では協議・分担の定めがあり、極端に施主負担へ寄せた条項がないかを契約書チェックの項目に(契約前チェックリストの項参照)
関連して知っておくこと
- 地震: 建設工事保険は地震を対象外とすることが多く、大地震時の扱いは約款の不可抗力条項の世界です(ここが「協議」になっている理由)
- 近隣への損害: 工事車両・足場・粉塵などの近隣トラブルは会社の賠償責任保険の領域(近隣配慮の項参照)。窓口は必ず会社に一本化を
- 会社の倒産は保険でなく完成保証の領域(別項参照)——「災害への備え」と「倒産への備え」は別物としてそれぞれ確認
確認はたった二言——「工事中の保険は? 不可抗力の条項は?」。数千万円の建物が屋外に無防備で立つ数か月を、書面の備えで守ってください。
よくある質問
Q.建築中の家が台風で壊れたら、誰が直すのですか?
A.引き渡し前の建物は請負会社の管理下にあり、原則として会社側(会社が掛ける建設工事保険等)で復旧します。施主の追加負担は原則ありません。ただし契約約款の「不可抗力の場合の負担」条項で扱いが定められているため、契約前にこの条項の確認をおすすめします。
Q.施主側で入っておく保険はありますか?
A.建物への火災保険は引き渡し日から始めれば足ります(それまでは会社側の管理)。確認すべきは会社側の保険の加入状況(建設工事保険・賠償責任保険)と、約款の負担条項です。「工事中の保険はどうなっていますか?」の一言で確認できます。
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