展示場あるある物語|「見るだけ」のはずが、帰りに仮契約の話になるまで
注文住宅営業7年の経験をもとに執筆(運営者について)
休日の午後、「見るだけ」で入った展示場。3時間後、夫婦はなぜか仮契約の話をしていました。会話形式で、ありがちな流れとその分岐点を追います。
土曜の午後、「見るだけ」で入る
今日はほんとに見るだけな。何も書かないし、何も決めない。
わかってる。雰囲気だけ見て帰ろう。
ここまでは、多くの夫婦が同じです。 このあと、分岐点が4回やってきます。
分岐点1: 入口のアンケート
ようこそ! 見学の記録のために、こちらにお名前とご連絡先だけお願いします。
(書かないと入れない空気だな…)
(まあ名前くらいなら)
ここで連絡先を渡すと、以後の主導権は相手に移ります。 今日の見学が終わったあとも、電話とDMが届き続けます。
分岐: 「今日は見るだけなので、記入は遠慮します」と言えたかどうか。
分岐点2:「ご年収は?」
モデルハウスを一周したあと、テーブルに通されます。
参考までに、ご年収とご自己資金を教えていただけますか? ざっくりで結構です。
えっと、550万くらいで…
でしたら、4,200万円くらいまで組めますよ。皆さんそのくらいで建てられています。
年収を言った瞬間に、「借りられる上限」で話が組まれます。 無理なく返せる額は、それより数百万円低いのが普通です。
分岐: 自分たちの総予算を、先に計算して持っていたかどうか。
分岐点3:「月々で言うと」
4,200万円をお借りになると、35年・変動で月々は約10万円。今のお家賃とほぼ同じですね。
家賃と同じで、この家が…?
はい。しかも今月はキャンペーンで、○○万円のお値引きが可能です。
ここで2つのことが同時に起きています。
- 「月々」で語られると、総額の重さが消える
- 「今月」で区切られると、比較する時間が消える
分岐: 「総額でいくらですか? 土地と諸費用は入っていますか?」と聞けたかどうか。
分岐点4:「仮契約は、いつでも解約できます」
正式な契約ではなく、まずは仮契約(申込)で枠を押さえるだけです。キャンセルも可能ですので。
(押さえるだけなら…)
(でも、私たち、他の会社を1社も見てない)
「いつでも解約できる」申込金は、返ってこないことがあります。 そして申込を入れた時点で、心理的に「他社を見る」ことが難しくなります。
分岐: 「他社も見てから決めます」と言えたかどうか。
3時間後の車の中
なんか、すごい話が進んだな…
家賃と同じって言ってたけど、土地代は? 諸費用は? 聞くの忘れた。
結局、うちはいくらなら大丈夫なの…?
この「結局いくらなら大丈夫なの?」が、展示場で最も多く生まれる感情です。 順番が逆だったことが原因です。
同じ土曜日、準備して行った場合
総予算は3,600万円まで、土地は別で探しています。要望はこの紙の順番です。
ありがとうございます。では、その範囲で建物のご提案を作りますね。
標準仕様書もいただけますか? 他社とも比べたいので。
もちろんです。
会話の主語が「営業」から「夫婦」に変わっています。 アンケートには連絡先ではなく、予算と要望の紙を渡しています。
- 先に総予算を計算していた(年収から、無理のない額で)
- 要望を優先順位つきで紙にしていた
- 「比較する」と最初に宣言していた
まとめ: 展示場は「答え合わせ」の場所
展示場は、家づくりを始める場所ではなく、自分たちの数字と要望を答え合わせする場所です。 見るだけのつもりが仮契約まで進むのは、意思が弱いからではなく、手ぶらで行ったからです。
当サイトでは、年収から総予算を計算し、要望を整理した「家づくり要望シート」を 無料・登録不要で作れます。名前も連絡先も年収も、住宅会社には渡りません。
よくある質問
Q.仮契約(申込)の申込金は本当に返ってこないのですか?
A.会社と契約内容によります。「申込金は契約に至らなかった場合返金」と明記されていれば返ります。口頭の「いつでも解約できます」だけで判断せず、書面で返金条件を確認してから支払うのが原則です。
Q.展示場に行く前に、最低限やっておくことは?
A.3つです。(1)年収から無理のない総予算を計算する (2)要望を優先順位つきで紙にする (3)「複数社を比較する」と決めておく。これだけで、この記事の4つの分岐点すべてで主導権を保てます。
Q.営業さんに嫌な顔をされませんか?
A.予算と要望がはっきりしている施主は、提案が作りやすいため、多くの営業担当にとってはむしろ歓迎です。嫌な顔をする会社があれば、それは比較対象から外す材料になります。
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