「高性能住宅」を名乗る会社の見分け方|聞くべき4つの数字と、その順番
注文住宅営業7年の経験をもとに執筆(運営者について)
性能の高さは4つの数字で語られるが、大事なのは数字そのものより「誰が・いつ・どう測ったか」。展示場で聞く順番まで整理します。
結論: 数字を聞く前に「測り方」を聞く
- 住宅の性能は主に UA値・C値・断熱等級・耐震等級 の4つで語られます
- ただし、この数字は計算だけで出せるものと、実際に測らないと出せないものに分かれます
- そして「等級3」と「等級3相当」はまったく別物です
- つまり数字を聞くだけでは足りず、その数字の出どころを聞いて初めて比較できます
4つの数字は「性格」が違う
UA値(外皮平均熱貫流率)は、家からどれだけ熱が逃げるかを表します(UA値の項参照)。これは設計段階の計算値で、間取りや窓の大きさが決まれば出せます。逆に言えば、実際の施工が雑でも数字は変わりません。
C値(気密性能)は、家全体の隙間の量です(C値の項参照)。こちらは現場で実際に測らないと絶対に出ない数字で、施工の丁寧さがそのまま出ます。UA値との決定的な違いはここです。
断熱等級は断熱性能の等級、耐震等級は地震への強さの等級です(断熱等級の項参照 / 耐震等級の項参照)。等級は第三者機関の評価を受けて初めて公式なものになります。
「相当」の一言に注意する
会社の説明で「耐震等級3相当」「断熱等級6相当」という言い方が出ることがあります。この「相当」は自社の計算上そうなるはず、という自己申告で、第三者の確認を経ていません。
公式な等級は住宅性能評価書という書面で証明され、地震保険の割引や、将来売却するときの性能証明に使えます(性能表示の項参照)。「相当」にはこれがありません。設計上の実力が同じでも、書面の有無で受けられる実利が変わります。
聞く順番: この4ステップが効きます
1. 「UA値とC値はいくつですか?」 — まず数字を聞きます。即答できるかどうかで、性能を日常的に扱っている会社かが分かります 2. 「C値は全棟測っていますか?それとも一部ですか?」 — ここが本命の質問です。C値は測らないと出ない数字なので、全棟測定なら施工品質に責任を持っていることになります。「モデルハウスで測った値です」なら、あなたの家の数字ではありません(気密測定の項参照) 3. 「中間と完成、どのタイミングで測りますか?」 — 断熱工事後の中間測定なら、悪かったときに手直しできます。完成後だけだと、悪くても直しようがありません 4. 「等級は"相当"ですか、評価書を取りますか?」 — 費用と実利を含めて説明できる会社は信頼できます
この順番だと、1つ目で会社の姿勢が、2〜3つ目で施工品質への責任感が、4つ目で誠実さが見えます。数字の大小を比べるより、はるかに会社の実像が分かります。
数字が良ければ良い家、ではない
性能の数字は「快適さと光熱費」を決める要素であって、暮らしやすさそのものではありません。動線・収納・日当たりは数字に出ません。数字は会社を絞り込むためのふるいとして使い、最後は間取りと予算で決める——この順番が現実的です。
そして忘れてはいけないのは、性能を上げれば建築費も上がることです。総予算の中でどこまで性能に配分するかは、先に予算の全体像を決めてからのほうが判断しやすくなります。
よくある質問
Q.UA値とC値、どちらが大事ですか?
A.役割が違うので優劣はつけられません。UA値は設計上の断熱性能、C値は施工の丁寧さを表します。UA値がどれだけ良くても隙間だらけ(C値が悪い)なら設計どおりの性能は出ませんし、その逆もあります。両方を確認するのが基本です。
Q.C値を測っていない会社は避けるべきですか?
A.性能を重視するなら選択肢から外して差し支えありません。ただし、デザインや価格を優先する家づくりもあり、その場合に性能会社と同じ基準で判断する必要はありません。自分が何を優先するかを先に決めておくと、判断がぶれません。
Q.数字を聞くと嫌がられませんか?
A.性能に力を入れている会社ほど、この質問を歓迎します。答えを渋る・話をそらす反応そのものが判断材料になるので、遠慮せず聞いて構いません。
Q.展示場のモデルハウスの数字は参考になりますか?
A.モデルハウスは最上位仕様であることが多く、あなたが建てる価格帯の家とは別物のことがあります。「私たちの予算帯のプランだと、この数字はどうなりますか?」まで聞いて初めて参考になります。
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