営業トークの翻訳帳|展示場でよく聞く7つのセリフの、本当の意味
注文住宅営業7年の経験をもとに執筆(運営者について)
「月々今の家賃くらいで建ちますよ」「今月中なら」「まずはアンケートだけ」。悪意のないセリフほど効きます。7つのセリフを、施主側の言葉に翻訳しました。
はじめに: 営業さんは敵ではない
展示場の営業担当は、あなたを騙そうとしているわけではありません。 ただ、彼らの仕事は「今日、次のアポイントを取ること」です。 その目的に最適化されたセリフは、準備なしで聞くととてもよく効きます。 ここでは代表的な7つを、施主側の言葉に翻訳します。
1.「月々、今の家賃くらいで建ちますよ」
今のお家賃はおいくらですか? 8万円? それなら、月々それくらいで建ちますよ。
えっ、家賃と同じで家が持てるの?
翻訳: 「借入額だけを、一番長い年数・一番低い金利で割ると、月8万円になります」
- 土地代・諸費用・外構・固定資産税・修繕費は入っていないことが多い
- 金利が上がれば同じ額でも月々は増える(変動金利)
- 「家賃と同じ」は「総額がいくらか」を一切語っていない
施主側の返し方: 「総額でいくらの話ですか? 土地と諸費用は入っていますか?」
2.「まずはアンケートだけ、お願いできますか」
見学の記録のために、こちらにお名前とご連絡先だけ。
見るだけのつもりだったけど、書かないと失礼かな…
翻訳: 「連絡先をいただければ、こちらから何度でも連絡できます」
- アンケートは「見学の記録」ではなく「追客リスト」
- 書いたその日から、電話・DM・訪問が始まる
- 断るのは失礼ではない。「今日は見るだけなので」で十分
施主側の返し方: 「検討が進んだらこちらからご連絡します」
3.「今月中にご契約いただければ、この金額で」
今月はキャンペーン中で、今なら○○万円お値引きできます。来月からは戻ってしまうので…
翻訳: 「比較される前に決めてほしい」
- 本当に期限がある値引きもあるが、翌月に別の名目で同じ値引きが出ることも多い
- 家は数千万円の買い物。数十万円の値引きで「比較しない」選択をするのは割に合わない
- 期限を切られたら、それは比較すべきサイン
施主側の返し方: 「他社の見積もりと比べてから決めます。来月も同じ条件なら、そのときに」
4.「皆さん、このくらいのご予算で建てていますよ」
お客様のご年収なら、4,500万円くらいは皆さん組んでいます。
翻訳: 「銀行が貸してくれる上限の話をしています」
- 「借りられる額」と「無理なく返せる額」は別もの
- 審査は年収の35%まで通ることが多いが、手取りベースで考えると重い
- 「皆さん」の中には、返済に苦しんでいる人も含まれている
施主側の返し方: 「上限ではなく、私たちは○○万円までと決めています」(先に自分の数字を持っていく)
5.「標準仕様で十分ですよ」
断熱も耐震も、うちは標準で十分な性能が入っていますので。
翻訳: 「標準の中身を、あなたはまだ確認していない」
- 「十分」の基準は会社によって違う(断熱等級4と6では別物)
- オプションで上げると金額が変わる項目が、標準でどこまで入っているかが重要
- 「標準仕様書」を見せてもらうと、会社の誠実さが分かる
施主側の返し方: 「標準仕様書をいただけますか? UA値とC値はいくつですか?」
6.「土地はこちらでお探ししますので」
土地探しはお任せください。建物とセットのほうが進めやすいですよ。
翻訳: 「土地が決まれば、建物もうちで決まる流れになります」
- 建築会社が紹介する土地は、その会社で建てる前提になりやすい
- 「建築条件付き」は、他社で建てる自由がない
- 土地と建物は切り離して、それぞれ比較できる状態が理想
施主側の返し方: 「土地は別でも探しています。建物だけで比較させてください」
7.「一度、資金計画を作らせてください」
ざっくりで結構ですので、ご年収と自己資金を教えていただければ、資金計画をお作りします。
翻訳: 「年収が分かれば、上限いっぱいの提案が作れます」
- 年収を伝えた瞬間に「借りられる上限」で計画が組まれる
- 資金計画を「作ってもらう」と、主導権が相手に移る
- 先に自分で総予算を出しておけば、「この額で何ができますか」と聞ける
施主側の返し方: 「総予算は○○万円と決めています。この範囲での提案をお願いします」
まとめ: 先に「自分の数字」を持っていく
7つのセリフに共通するのは、こちらに数字がないときに効くことです。 年収から無理のない総予算を計算して、要望の優先順位を決めてから行くと、 同じセリフが「参考情報」に変わります。
総予算は3,800万円まで、土地は別で探しています。この条件で、何ができますか?
かしこまりました。では、その範囲でご提案しますね。
これが、準備して行ったときの会話です。
よくある質問
Q.営業さんのセリフを疑ってばかりだと、関係が悪くなりませんか?
A.疑う必要はありません。質問するだけです。「総額でいくらですか」「標準仕様書を見せてください」は、誠実な会社ほど歓迎する質問です。逆に、質問を嫌がる会社は比較対象から外してよいサインになります。
Q.アンケートを断ると、その後の見学がしにくくなりませんか?
A.展示場はアンケートなしでも見学できます。「今日は見るだけなので」と伝えれば、ほとんどの会社は応じてくれます。もし強く求められたら、その会社の営業スタイルが分かったと考えればよいでしょう。
Q.自分の総予算は、どうやって決めればいいですか?
A.年収から「借りられる上限」ではなく「無理なく返せる額」を計算し、自己資金を足したものが総予算です。当サイトのシミュレーターで無料・登録不要で計算できます。
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