変動金利が固定金利より損になるケース|契約前に知る「逆転」の条件
注文住宅営業7年の経験をもとに執筆(運営者について)
変動金利が有利かは「金利がいつ・どれだけ上がるか」で決まる。損益が逆転する条件と、契約前に銀行へ確認すべきことを整理します。
結論: 「今の金利差」だけで決めない
- 変動金利は固定金利より低い金利で始まるのが普通です(変動金利の項参照)
- ただし返済は30年以上続きます。途中で金利が上がると、総支払額が固定を上回る「逆転」が起きえます
- どちらが得かは誰にも断言できません。このコラムでは「逆転が起きる条件」と「契約前に確認すること」だけを整理します
変動が固定に「負ける」のはこんなとき
金利の上昇が早い時期に・大きく起きるほど、変動に不利です。元利均等返済では返済初期ほど元本が大きく、利息も大きいためです(元利均等返済の項参照)。
- 例: 0.5%で借りて数年後に2%台へ上がると、残り期間が長い分だけ影響が大きい
- 逆に、完済間際の上昇はダメージが小さい
- 貯蓄に余裕があり繰り上げ返済で元本を早く減らせる人は、変動のリスクを自分で下げられます
「5年ルール」「125%ルール」の落とし穴
多くの変動型には「毎月の返済額は5年間変えない」「見直し時も直前の125%まで」という緩和ルールがあります。返済額が急に増えない安心感はありますが、利息そのものが減るわけではありません。返済額に収まりきらない利息(未払利息)は後ろに繰り越され、元本の減りが遅くなります。「返済額が変わらない=影響がない」ではない点に注意してください。
契約前に銀行・住宅会社へ確認すること
- 「この変動金利の優遇幅(引き下げ幅)は完済まで続きますか?」
- 「5年ルール・125%ルールはありますか?(ない商品は返済額がすぐ上がります)」
- 「途中で固定へ切り替える場合の条件と手数料は?」
- 銀行の審査は実際より高い金利で行われます(審査金利の項参照)。「借りられる額」と「無理なく返せる額」は別物です(返済負担率の項参照)
迷ったときの考え方
- 家計に余裕があり、金利上昇時に繰り上げ返済で対応できる → 変動の低金利を活かしやすい
- 教育費のピークが返済期間と重なるなど、返済額が増えると困る → 固定で「先が読める安心」を買う価値があります(固定金利の項参照)
- 半分ずつ借りる「ミックス」という折衷案もあります
当サイトは「どちらが得か」の判定はしません。ただ、この逆転の条件を知ったうえで銀行の説明を聞くと、確認すべきことが明確になり、質問の質が変わります。
よくある質問
Q.いまは変動と固定、どちらを選ぶ人が多いですか?
A.近年は新規借入の7割以上が変動型と言われます。ただし多数派の選択が、あなたの家計にとっても正解とは限りません。返済額が増えたときに耐えられる家計かどうかで判断しましょう。
Q.金利が上がったら、途中で固定に変えられますか?
A.同じ銀行内での切り替えや借り換えは可能です。ただし適用されるのは「切り替え時点の固定金利」なので、変動金利が上がる局面では固定金利も先に上がっていることが多く、「上がってから逃げる」は間に合いにくい点に注意が必要です。
Q.金利が上がるとすぐ返済額が増えますか?
A.5年ルールのある商品なら毎月の返済額はすぐには変わりません。ただし返済額の内訳で利息が増えて元本の減りが遅くなるため、負担が消えたわけではありません。
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